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マネジメントエキスプレス2017.9月号

Management Express

ManagementExpressは、ヘアサロンさまのマネジメントにお役立て戴きたい経営情報として、
サロンオーナーさま及びマネージャーさまに毎月お届けしています。

「  スタッフが辞めないサロン 」
組織や店舗の大小に関わらす、人材不足は美容業界の大きな問題です。このような中で スタッフさんが働き続けるための環境を整えるために、ハード・ソフト両面から様々な取 り組みをするサロンさまも増えてきました。サロン経営にとって重要な人材採用と定着 についての「あり方」と「やり方」について考えてみたいと思います。

近年、若い人の離職率の高さが顕著化しています。2016年の厚生労働省の発表によると大学新卒者の実に3割が3年以内に仕事を辞めています。業務独占・技術者で成り立って いる美容業界ですが、若い人の職場への定着率がよくない現状は、美容業界の枠を超えて社会全体の懸案事項とも言えます。そして、若い人の離職者を業界別で見ると、サー ビス業がもっとも離職率が高く、実際のところ若いスタッフが育つ前に辞めてしまうというのは、多くのサロンさまが抱えている問題と同じです。2000年代初頭の美容ブームの時は、若い人の「なりたい職業」ランキング上位だった美容師さんが、20年弱たった今、年齢が上がるにしたがいランクを下げてしまうという状況もあり、美容業界の先行きを心配する声は多いです。少子高齢化・人口減少・不景気社会という避けることが出来ない社会状況がありながらも、安定的に経営・成長を続けているサロンさまもあります。
そのようなサロンさまは、例外なく「働く環境を整える」こと、「スタッフを育成する」こと、「活躍出来る仕組み」をつくるということに積極的です。

ここ数年、日本政府も「働き方改革」を掲げて数々の取り組みを進めています。お客さまに対応していく分、どうしてもスタッフさんのケアや労働環境、福利厚生が後回しになりがちな美容業界においても、こうした流れを汲みながら、時代の要請とともに徐々に 改善されてつつあります。 「勤務形態バリエーション」を増やす、「教育システムを整える」「スタッフコミュニケーションを深める」など方法は様々です。若いスタッフがどうしたら辞めないか。ここを考える手掛かりとして、まず育ってきた時代背景、環境を考えることは欠かせません。若い人が会社を選ぶ理由の第1位は「自分のやりたい仕事(職務)ができるかどうか」で、2001年から今までずっと変わらず職業観のベースにあります。ところが、2010年を境に選ぶ理由の2位に「安定している会社」が上がるようになり、それまで2位だった「働きがいのある会社」を抜きました。今の若年層は、小学生~中学生の多感な時期を不景気のさ中で過ごしています。親が苦労する姿を見て育った分、働くということに対して堅実さや安定性を求める傾向が強いと思われます。また、ゆとり教育や子供が少なく競争があまりない中で、個を重視する風潮で育ってきた影響もあり、過酷な環境で自分をすり減らして仕事をするという選択にはなりにくいのではないでしょうか。今の若い人たちは、仕事の内容と同じくらい「どう働くか」も重視していることがわかります。実際、学生から「長く働けるには会社のどのようなところを見ればいいのでしょうか?」という質問はよく目にするところです。つまり、できるだけ1つの会社で落ち着いて働き、確実にキャリアを積み上げていきたいと考える人は増えているのも現実です。

職業観について最も近いものはどれですか?というアンケートに対しての回答については、「①収入さえあればいい(3.4%)」「②楽しく働きたい(29.4%)」「③自分の夢のために働きたい(11%)」「④個人の生活と仕事を両立させたい(26.2%)」「⑤プライドを持てる仕事をしたい(6.6%)」「⑥人のためになる仕事をしたい(16.1%)」「⑦出世したい(1.1%)」「⑧社会に貢献したい(6%)」という結果です。もちろん、企業内教育を行っていない段階でのアンケートですので、入社後の教育により、⑤⑥⑧は向上する可能性がありますが、ワークライフバラスを重視し、自分らしく働きたいと多くの若い人が考えていることは数字にも顕著に表れています。最新の職業観の調査では、「プライベートを優先したい」と答えた学生が過去最高の62%に昇っています。残業についても、なるべくしたくないと答えた人が昨年よりさらに増え、アフター5での職場の人との付き合いも80%の人が避けたいと答えています。日本政府の掲げる働き方改革についての報道の増え、仕事=ツライ・キツイというイメージが先行している学生が増えていることは確かだと思います。仕事に追われて自分らしく生きれないのでは、と不安に思う人が多いのかもしれません。親と子の結びつきが強く、親子関係が濃密であることも最近の若い人を象徴する傾向です。「就職活動について最もよく話すのは母親」という人が70%以上と言われており、就職や職業観に関して、親の考え方大きな指針となっていると言えます。このような中で、美容業界でも入社式に親御さんも参加したり(サロンを知ってもらう機会にし、両親に理解を得ることで、就業サポートに繋がる)、就職活動においても親御さんとの面談を行う美容室が増えているのは、このような背景があるからだと思います。また、スタッフが辞めないために、サロン側がやるべきことは様々ですが、大事なことの1つとして「労働環境を可視化して、働くことへの安心感を与える」ことです。社風が良いか、やりがいがあるかというソフトの情報は自分で感じるものですが、それ以外のものはすべて数字で可視化することが出来ます。この部分がこれからのサロン経営の要になるのではないでしょうか。マネジメントエクスプレス11月号では、実際に成功しているサロンさまをベンチマークしたレポートをお届けさせて戴きます。

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