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マネジメントエキスプレス2017.3月号

Management Express

ManagementExpressは、ヘアサロンさまのマネジメントにお役立て戴きたい経営情報として、
サロンオーナーさま及びマネージャーさまに毎月お届けしています。

「 何故、働き方改革が進んでいるのか 」
日本政府は人口や労働力人口が継続して減少している中で、長時間労働などが日本経済の足を引っ張って生産性低下の原因になっていると考え、働き方改革に積 極的な動きを見せています。安倍首相は働き方改革を「最大のチャレンジ」と位 置づけ、第3次安倍再改造内閣に「働き方改革当相」を新設し、そのもとに「働き方実現会議」を開き、実行計画をまとめています。2017年は働き方改革を推進するために特別会計を含めて887億円を計上し、最近ではインターバル規制の導入に取り組む中小企業に対して助成金を支給する方針を固めています。

このように「働き方改革」が急速に進んでいるには3つの理由があります。 働き方改革を進めている1つ目の理由として、日本の人口、特に労働人口が継続して現状していることが挙げられます。現在の日本の人口は1億2682万人で、ピークの2008年(1億2810万人)と比べて128万人も減少し、労働人口も1998年の6793万人から昨年の6598万人まで減少しています。日本は1996年から15~64歳の人口が減少し始めて、さらに2012年からその減少幅が大きくなり、毎年80万人以上の生産可能人口が減っています。このように少子高齢化が進行し、労働人口が減少している中で、企業は労働力を確保するために男性正規 労働者を中心とする採用戦略から脱皮し、女性・高齢者・外国人などより多様な人材に目を向ける必要が生じたのです。しかし、現実は様々な問題が発生し、働き方を全面的に修正し、多様な働き方の実現が要求されることになったのです。
働き方改革を推進している2つ目の理由としては、長時間労働の是正と働き方改革を進めていくことが、一人ひとりの潜在力を最大限に発揮していくことにつながっていくという考えからです。長時間労働の是正と働き方改革は、労働の「質」を高めることによって稼ぐ力の向上に加え、育児や介護と仕事の両立促進により、これまで労働市場に参加出来なかった女性の更なる社会進出の後押しにもつながり、質と量の両面から経済成長に大きな効果をもたらし、少子化対策についてもその根幹とも言える効果が期待されるとともに、地方活性化の鍵ともなるものであり、幅広い視点から日本全体の稼ぐ力の向上に繋がっていくという意識を日本全体で共有し、醸成していくことが重要になるという内容を強調しています。
働き方改革を推進している3つ目の理由としては、日本政府が奨励しているダイバーシティ(多様性)マネジメントや生産性向上が働き方改革と直接繋がっている点が挙げられます。ダイバーシティマネジメントは、個人の性別や人種、国籍などの違いにこだわらずに優秀な人材を活用する企業経営方針であり、最近は経済のグローバル化が進むことにより、様々な環境に対応できる多様な人材の必要性が高まっています。働き方の改革を推進することにより多様な人材を活用することで生産性を引き上げることを目指しています。

これらの動きに同調し、日本企業も速いスピードで労働改革が進んでいます。働き方改革は、非正規労働者の処遇改善、長時間労働の是正、ワークライフバランスの実現、多様な人材が労働市場で活躍できることを目指しているものの、企業の立場からは大きな負担になるのではないでしょうか。また、労働の柔軟性や生産性を高める政策が同時に実施されることにより既存の正規労働の雇用安定性は弱まる一方、労働強度は高まる可能性は高いです。働き方改革が生産性向上や経済成長だけと優先すると、労働者の生活の質はさらに悪化する恐れがあり、働き方改革がマクロ的な数値を引き上げることを優先することにより、労働者の健康や生活の満足度を優先的に考慮して実施されることを望みたいと思います。


「 働き方改革実現会議で取り組む9項目 」
働き方改革実現会議で取り組まれている9項目は、①同一労働同一賃金など非正 規雇用の処遇改善 ②賃金引き上げと労働生産性の向上 ③時間外労働の上限規制 の在り方など長時間労働の是正 ④雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題 ⑤テレワーク、副業、兼業などの柔 軟な働き方 ⑥働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備 ⑦高齢者の就業促進 ⑧病気の治療、子育て・介護と仕事の両立 ⑨外国人材の受け入れの問題、以上の9項目です。


「 働き方改革と美容業界の2年後 」
働き方改革が推進されると美容業界でも大きな問題になります。①正規雇用と非正規雇用では就労に対する価値観・サロンへのエンゲージメントが異なります。②時間外労働の上限については、業種、業態、規模などを考慮した柔軟な制度設 計でなければ、大きく生産性を下げてしまいます。③副業、兼業などはサロンに対する帰属意識を低下させることに繋がります。現在、ヘアサロン業界の全年齢平均年収は280万円です。中小企業の全年齢平均年収は、男性で約380万円、女性で約260万円です。サロン経営において直面することは、このギャップではないでしょうか。あらためて、「美容の価値を創造し、美容料金向上を目指す」ことに集中しなければ、時代の大きな変化に飲み込まれてしまいます。ここを目指すサロンさまにのみいい人材が集まる時代が2年~4年後に迫っています。

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