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マネジメントエキスプレス2015.6月号

Management Express

ManagementExpressは、ヘアサロンさまのマネジメントにお役立て戴きたい経営情報として、
サロンオーナーさま及びマネージャーさまに毎月お届けしています。

「 美容業界を取り巻く環境の変化Ⅱ 」
1)今、美容業界の問題の1つに美容師さんの技術力低下が挙げられます。いわゆるオトナ世代に対応できない…「リアルヘア」の回帰です。かつてヘアスタイルを4パターンくらいマスターすると、スタイリストデビューが出来る時代がありました。しかし、スタイリストがやがて伸び悩むことの反省から、デビュー期間を遅らせることに繋がりました。その後も現実問題として、根本解決をしていない状況が多く見受けられます。このような背景から、若い美容師さんのためのベーシックを大切にするPEEK-A-BOOさんが再び注目されたり、見直されている理由がこのあたりにあるのではないでしょうか。アシスタントが「ゆとり教育」世代に突入したことと相まって、1ヵ月のレッスン時間が全国平均で1ヵ月20時間に激減していると指摘されています。美容師さんになって最初の4~5年の頑張りで、その後の40年~50年の美容人生が決まる… 。石の上にも3年と言われますが、多くを学び吸収して、自分のアイデンティティを確立するための大切な時期をどのようにサポートしていくのかがとても大切になります。

2)一般誌の美容企画の低調・停滞によるヘアスタイルのマンネリ化の問題があります。JJ・CanCanなどの赤文字系女性誌のブームに始まって、この10年以上「モテ系」「ゆるふわ系」などの俗に「赤文字系」と言われるヘアスタイルのブームが続きました。多くは、セミロング・ロングが中心で、パーマと言いながらアイロンでスタイリングするスタイルも多くありました。しかし、このテイストに飽きがきて、お嬢様女性像も飽きられてしまい、今、赤文字系女性誌の売上は激減しています。また、ホームページやブログで紹介されるヘアスタイルも、自分でカットしていない、アイロンで仕上げているのにパーマと称するスタイルでは?など、消費者から批判を受けています。もう一度、「リアルヘア」が求められる時代に回帰しているのではないでしょうか。

3)ずっと続いたセミロング・ロングヘアの結果、美容室の来店サイクルは大幅に伸びています。ショートヘアを含む多様なヘアスタイルの選択肢を用意して、女性にヘアスタイルを楽しんでもらうことが大切… ある全国調査資料によると、20代の女性の美容室での満足度は「50%」一方、50代の女性「80%」が不満足と答えています。美容室経営の最大のテーマが顧客満足向上ですが、その中の重要な商品がヘアスタイルです。とんなに接客サービスが良くても、80%がヘアスタイルに満足していないのは、商品力が低下していることを意味しています。また、指名予約が欲しければ午前中のお客さまを大切にすること!と言われます。朝一番の10時に指名予約が取れる美容師さんは、指名予約のお客さまを沢山とれる美容師さんと言われます。そういうお客さまは、計画的で1ヵ月に1度は来店される方も多く、時間をつくれる客さまなので単価も向上します。しかも、雨が降ってもキャンセルしないお客さまです。逆に、午後2時から3時あたりに予約するお客さまは、ドタキャンが多いと言われます。午前中のお客さまを大切にするスタイリストが売上を伸ばす理由が明確になったのではないでしょうか。

4)美容室は、一度きりのお客さまで成り立つビジネスではありません。「このお店にずっといて…」とお客さまから頼まれるのが売れるスタイリスト。数ある美容室・美容師さんの中でやっと出会った美容師さんです。ずっと通い続けて戴き、人生のパートナーになるのが美容師さんの仕事の醍醐味のように思います。生涯顧客・生涯美容師という言葉がありますが、美容の仕事の本質をついています。また、美容室はエリアビジネスであるとうのは、ひとつの商品が日本全国、あるいは世界各国に販売されるものではないということです。ひとりの美容師さんが、ひとりのお客さまにつくる「唯一無二の一度きりの商品」であり、お客さまはエリアの美容室の美容師さんを選んでオーダーする。極めて人間臭くて、エリアが限定されているビジネスです。客数を増やしたいと考えるのであれば、その前にリピーターを増やす取り組みをしなければ、結局は、明確なアイデンティティが確立されないので、フリーぺーバー頼みになってしまいます。

5)厳しいこの時代で業績を伸ばしている美容室は、ヘアだけではないビューティに取り組む美容室です。共通していることは、施術種目が多いこと。つまり、ヘアカットの他に、ヘアカラー・パーマだったり、フェイスケアだったり、店販購入だったり、そういうお客さまは客単価が高いだけではなく来店回数も多くなります。来店回数が増えることでビジネスチャンスが生まれるため、ロイヤルカスタマーをいかに確保しているかが美容室の安定経営に繋がっているようです。横浜のM.SLASHさんでは、上位10%のロイヤルカスタマーの売上で全体売上の38%を占めています。上位20%のロイヤルカスタマーで見ると、全体売上の70%近くになります。いわゆる「パレートの法則」(2:8の法則)は、20%のお客さまで80%の売上を占めると言われますが、客単価の低い美容室ではこれらの実現は難しく、「客数」ではなく、「客層・客単価」を追求した典型的な成功例と言えます。消費者を美容室に支払う金額で分類すると、上位20%の高位客、下位20%の低位客、そして中間帯60%の中位客に分類出来ます。下位の20%程度が千円カットサロンなどに流れています。問題は、「2:6:2」の「6」のボリュームゾーンの綱引きで、いずれの価格帯美容室がそれを引き込むことが出来るか。あるいは、低価格美容室ではなく、ボリュームゾーンである中価格美容室にとどめることが出来るかです。この中位価格帯ゾーンの20代のお客さまは、ネット予約で美容室ジプシーを繰り返しているケースが多いことが挙げられます。上位20%お客さまで売上の40%、上位30%のお客さまで売上の50%を占めている美容室からすると、二番目のランクのお客さまの離店が心配。とりわけ一番のポイントは50代以上のお客さまをどう増し、そのための対応力の強化が当面の経営課題になるのではないでしょうか。

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