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マネジメントエキスプレス2013.6月号

Management Express

ManagementExpressは、ヘアサロンさまのマネジメントにお役立て戴きたい経営情報として、
サロンオーナーさま及びマネージャーさまに毎月お届けしています。

「 サロン外部環境レポートⅡ 」
今月も、美容室を取り巻く外部環境について、お届けさせて戴きます。

●美容室経営の現状:
アベノミクスの効果が今後、美容室にどのような影響を及ぼすかは、まだわかりませんが、これまでの消費低迷は美容室経営に暗い影を落とし、現在、昨対売上を上回る美容室は全体の10%未満という統計が出ています。東京では、原宿・表参道・青山が長らく美容のメッカと言われ、全国の美容師さんたちの“憧れのスーパー・エリア”でした。しかし・・・今では、SHIMAに始まり、PEEK-A-BOO、GARDEN、afloatなど多くの有力サロンの銀座出店が続いています。今年の4月には、大阪のモードケイズも出店。原宿へわざわざ足を運ぶ女性は減少し、一般女性誌に掲載されても、それを誌面で見て来店する女性は、ほぼ皆無に近い状態と言われています。大阪は、かつて心斎橋、アメリカ村を中心にミナミは若者が集まる街として、美容室も活況を呈していました。しかし、今は梅田が勢いを得ており、また心斎橋を通り越してさらに南に下がった天王寺駅周辺も活気に溢れています。このような環境中で、面貸しサロンが目立つようになっています。その象徴的サロンが青山のGAFFです。従来の単純な面貸しではなく、“時代の流れに合わせた仕組み”が出来ているのが成功の鍵になっています。

●技術力の低下が大きな問題:
かつてヘアスタイルを4パターンぐらいマスターすると、スタイリストデビューできる促成栽培の時代がありました。しかし、やがてスタイリストが伸び悩むことの反省から、デビュー期間を遅らせることに繋がっていますが、旬なヘアスタイルを数点マスターさせるという場当たり的な対応が続いている美容室もまだまだ多い状況です。このような対応では、時代の変化についていけないという指摘が業界内で続いています。そこで、今、カットとヘアカラーのベーシックを大切にし、そこから考え続けるという美容室が注目され始めている理由もこのあたりにあるのではないかと思います。

●アシスタント教育:
アシスタントが“ゆとり教育”世代に突入したことと相まって、1ヵ月の練習時間は、全国平均で20時間以下に激減している一方で、1ヵ月100時間~200時間以上練習するアシスタントもいます。また、2014年4月1日朝9時の指名予約をすでにって“未来の予約表”を埋めているアシスタントもいます。・・・これは、スタイリストデビューの日をあらかじめ自分で設定して、その予約をカットモデルに約束しもらっているという素晴らしい話しで、ゆとり世代と指摘されがちな美容師さんのこれからに大きな希望、可能性を感じさせられる動きだと思いま。最初の4~5年の頑張りで、その後の40~50年が決まってしまいます。右手に美容技術・左手に美容知識、そして人に接する経験を積み重ね大事なアシスタント時代を過ごして欲しいと思います。

●美容室ビジネスの基本:
美容室経営の基本は、“リピートビジネス”であり、“エリアビジネス”です。そして、技術と接客・サービスを教える“教育ビジネス”でもあります。よって、新規集客も大切ですが、失客対策はもっと大切になると思います。値引きして新規集客しても、二度とリピートがなければ美容室経営が良くなることはありません。新規集客で大事なポイントは、“新規客は、他店が失客したお客さま”だということです。つまり、今まで通っていた美容室、担当してもらっていた美容師さんに対して、何らかの不満(顕在・潜在)や問題を抱えています。このお客さまをリピートさせるには、高い次元のカウンセリング力と問題解決能力が備わった方でないと対応できないのが現実です。美容室は、一度きりの来店で成り立つビジネスではなく、お客さまからリピートされない美容師さんの未来はないと言われると所似です。“お客さまから、また行きたいと思ってもらえる美容室をどうつくるのか”この追求こそが美容室・美容ディーラー・美容メーカーで協働していく本質だと思います。

●美容室を取り巻く市場:
市場の縮小・競争の激化・人手不足という三重苦の美容室経営。但し、市場の縮小を単純に労働人口の半分の女性と規定してきたこれまでとは、少し様相が違います。今は、小学生から美容室に通います。そして、男性の美容室利用は、10代=39.5%、20代=45.1%、・・・40代でも10%とデータが示しているように、男性客の美容室への流入が続いています。少子高齢化という暗い影が差す中で、美容人口全体は、増加しているのです。

●美容学校とTPPの今後:
2003年をピークに美容学校の生徒数が毎年減少しています。(入学定員の充足率50%以下)昼夜間合わせて2010年=24190人から、2012年は14416人=23.6%の落ち込み、通信課程は、2000年=12476人から、2010年は5539人、2012年には、1940人=87%の落ち込みがあります。背景には、美容学校2年制による学費の負担、少子高齢化による入学対象となる生徒数の減少、さらには大学全入時代の来や美容業界の労働環境問題などがあります。そして、美容学校の数はこの間、規制緩和政策によって他業種からの参入も含めて30校ほど増えているだけに、あきらかな過当競争になっています。・・・そして、“TPP”が美容業界に与える影響を考えておく必要があります。TPPの中に、国家資格業の緩和に対する条項も含まれるため、業務独占資格制度が崩壊するとの見解が広がっています。現時点では、美容業界についての具体的な話は、浮上しておらず先行き不透明ですが、アメリカのUSTR(通商代表部)は「 TPPは、他国の専門資格を承認するよう各国に求める協会ではない 」とする一方で、アメリカ政府は「 首相はすべての物品・サービスを貿易自由化交渉のテ ーブルに載せると述べた 」との声明を発していて、単なる推測では片づけられない深刻性をTPPは覗かせています。これらが現実となった時、もっとも打撃を受けるのが美容専門学校の経営です。海外のヘアサロン・外国人の美容師さんの日本進出ということもあり得ると思いますが、 “美容師を目指す日本人が渡米し、数ヵ月の講習でライセンスを取得して帰国する”という方がリアリティがあると考えられます。美容学校2年制による学費負担(約年間200万円)により、美容師を目指す人が激減しているとされる今、数ヵ月・数十万円で美容ライセンスが取得できれば、美容室経営における人材確保という点においては、かなり期待が持てるようになります。もちろん、米国ライセンス取得組に対する受け入れ態勢、店内教育の仕組みを見直す必要はあると思います。しかし、こうなれば、日本の美容学校存続の危機になるのは間違いありません。TPPの問題は、これからの美容業界にとって大きな変化を与えるだけに、よく考える必要があります。

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