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マネジメントエキスプレス2013.3月号

Management Express

ManagementExpressは、ヘアサロンさまのマネジメントにお役立て戴きたい経営情報として、
サロンオーナーさま及びマネージャーさまに毎月お届けしています。

「 ブランド構築 」
前号に引き続き、ブラント構築について考えていきたいと思います。 先ず、ブランド構築の観点から考えると、お店のやり方を変えること自体を否定しているのではなく、変えても良いことと、変えてはいけないことがあり、経営が上手く行っている時によくある“ 飽きる ”という心の動きも重要なポイントになります。ブランド構築とは、“変えない”と“飽きる”の戦いであると言えるかもしれません。では、変えていけないこととは何でしょうか?・・・それは、消費者マインドに届けるメッセージの中で“約束”していることです。これをブランドプロミスと呼びますが、このブランドプロミスを変えて既存のブランドをそのまま使うということは、今までの顧客や消費者を無視した行為に繋がります。例えば、“ スローフード ”を約束していたイタリアレストランが商圏にファミリーレストランが増えたため、価格を下げ、同じブランドのまま顧客回転数を上げる戦略を選択する。バリスパ専門のエステサロンが、競合が激しくなってきたので、同じブランドのままオーガニック中心のスパエステに変更する。耐震専門のリフォーム会社が、これからの流行は“ LOHAS ”だと考え、同じブランドで耐震とは関係のない自然素材のロハスリフォームを打ち出す。以上のような場合、別のブランドを打ち出す方法もありますが、今まで掛けてきた既存ブランドの構築費用の何倍もの投資が必要になります。店舗を持ち、何らかのサービスを提供していること自体が既にマーケティング活動になるので、不用意に今までの消費者、顧客のマインドに届けているメッセージを変更することは、ブランドプロミスを破る危険性を秘めていて、最終的には顧客離れに繋がりかねないと思います。


「 ブランドの役割 」
ブランドの役割とは、強いて言えば“ 購買の意志決定に必要な補完情報 ”のことです。例えば、消費者があるヘアサロンに初めて行く場合、そのヘアサロンのことを一部もしくは全く知らないとします。そこで“ 行こう ”という意思決定が出来るまで、そのお店の情報を集めることになります。つまり消費者がそのお店に行くためには行動を起こす意志決定のための情報が必要となります。ヘアサロンの場合では、少しでも見込のある消費者がチラシなどを見た時“ 自分に合うヘアスタイルにこのお店はしてくれるのか? ” “スタッフの対応はどうなのか? ” “ 自分の髪を綺麗にしてくれる技術があるのか? ” “ 素敵なお店だったらいいのに・・・ ”と考え、さらに情報を集めるためにホームページを見たり、店の前を通り過ぎるふりをして確認し、“ 行こう! ”と意志決定に至るかもしれませんし、それでも友人や知人に紹介されないと行かないかもしれません。このことからも、消費者はリスク回避と意識的もしくは無意識的に考えて意志決定に至ると言えます。また、シャンプーなどの日用品は、商品カテゴリー内で商品の数が多いので、購買の意思決定のための選択肢が複雑となります。かなりのこだわりがある人でなければ、ほとんどの消費者は、いちいちその情報を得るのを面倒に感じてしまうものです。消費者は購買の意思決定に関わる情報の補充があれば“ 探索コストの低減 ”を図ることが出来ます。だから、大手企業は大量にCMなどを投入し、ブランドについて知ってもらい、どれが望む商品であるかの意思決定をしやすくしています。但し、このブランドによる信頼関係が成立するにはブランドが約束・保証している品質であるブランドプロミスが達成されていることが暗黙の条件となります。ヘアサロンのように、一度入店したら特別なことがない限り、サービスを受け終わるまで滞在せざるを得ないような業種の場合、消費者にとっては“ リスク回避 ”のための情報をより慎重に調べる可能性が高いと言えます。ヘアサロンの場合は、情報量と言うよりは、情報の中身が重要となり、技術やサービスの質、そして価格などの機能的価値は当然ながら、スタッフの対応やお店の雰囲気など比較的言語化しやすい情報と、情緒的価値としての“ なんとなく楽しそう ” “ なんか私のこと分かってくれそう ”など言葉になりにくい情報として、嗜好性・体感性・体験性・自己同一性・ストーリー性・ステータス性などの情報が影響することも十分にあり得ると思います。もちろん、一度でも来店した場合は、この来店に至る意思決定のための情報がほぼ埋まるので、後は商品やサービス、対応などの質に判断基準が移ります。


「 ブランドとは何か 」
そもそもブランドとは何のでしょうか?ブランドの定義は、書籍や記事によって様々ですが、“ 消費者が特定の商品やサービスを識別できている時、その商品やサービスをブランドと呼ぶ ”・・・ここを1つの定義として、考えていきたいと思います。ブランドには、幾つかの種類があります。いわゆる商品・サービスだけでなく、“ ストアブランド ” “コーポレートブランド ” “ 事業ブランド ” “ パーソナルブランド ” “ 地域ブランド ”などです。ヘアサロンの場合は、ストアブランドとして見ていきます。店舗そのものより、店側が発信する様々なコミュニケーション活動により、あらゆる機会を経て消費者の心の中に湧いてくるものが、そのお店のブランドイメージです。では、消費者はブランドをどのように認知し、記憶し、想起するのでしょうか。ブランドを想起するには2通りあると言われます。①ブランド再認:ブランド要素に接した際に、ブランドを思い出すこと。②ブランド再生:ニーズが発生した際に、ブランドを思い起こすこと。どちらのプロセスを経るにしても、その前提として消費者がブランドに対する知識を持っていることが必須となります。自宅に投函されるチラシ、車から見る看板などに表示されているヘアサロンの店名、ロゴ、キャッチコピーを消費者が見ることによって、自店のことを思い出すことをブランド再認と言い、ヘアスタイルを変えたいなどのニーズが生じた時や、友人に“ どこかいい美容室ある? ”と聞かれた時に、真っ先に自店のことを思い出すことをブランド再認と言います。このように、ある消費者が何らかの購買ニーズを抱いた時に真っ先に想起されるお店は、その消費者に対してブランドを確立していると言えます。お店側から見たブランドと消費者側から見たブランドは、意味や機能が異なります。同じブランドであっても、お店側から見たブランドイメージと消費者側から見たブランドイメージがずれてしまっていてはブランド構築できているとは言えないと思います。ブランドマネジメントの中で大切なことは、自店のブランドを顧客にどのように捉えて欲しいのか(ブランドアイデンティティ)を明確にし、これを意図的に、一貫性を持って、継続的に発信していくことです。ブランドは、競合他店と識別し、差別化するために使用されます。この“ 識別 ”と“ 差別化 ”については、次号のマネジメントエキスプレスでお届けさせて戴きます。

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