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マネジメントエキスプレス2012.9月号

Management Express

ManagementExpressは、ヘアサロンさまのマネジメントにお役立て戴きたい経営情報として、
サロンオーナーさま及びマネージャーさまに毎月お届けしています。

「 脱コモディティ化 」
液晶テレビ:アクオスをブランドにし、一世を風靡したシャープが経営危機になっています。生産拠点を閉鎖し、人員を削減し、管理職と一般職の給与をカットし、台湾ホンハイ社との提携交渉を行っています。経営危機になった原因は、液晶事業ばかりに特化し過ぎてリスク分散が出来ていなかったこと、設備投資が行き過ぎてしまったことなどの経営戦略における問題もありますが、デジタル家電ならではの宿命から逃れられなかったことなども大きなポイントになっていると思います。人気商品には旬があり、いつかは色あせてしまいます。デジタル家電にとって、旬が過ぎて魅力が色あせることは、コモディティ化です。最初は、革新によって生まれた新製品が花形スターになって、多くの収益を拡大していきますが、その後は他の企業に模倣され、商品がどんどん同質化=コモディティ化することで、差別化できなくなり、結果的に価格競争に陥って経営を圧迫していきます。今までは日用品がコモディティ化の相場とされていましたが、今はデジタル家電をはじめ全ての製品にとっても最も恐れる現象となっています。これからは、「 脱コモディティ化 」が1つのキーワード。この答えを探すためにブランド戦略や関係性の構築、経験価値へのシフトなどという考え方が次々と登場しています。もちろん、ヘアサロン業界においても、人口の減少と過当競争、そしてコモディティ化はこれからの大きな問題です。シャープの事例からも、ヘアサロン業界が考えていかなければならないことは、今のうちになんらかの手を打っていく必要があるということです。2005年にプレミアムモルツを大ヒットさせたサントリーの事業戦略は、まさにその代表例。とにかく美味しいビールを提供する!という商品開発から、プレミアムモルツがある生活というライフスタイルに踏み込んだマーケティング、そして今や業界№1までに成長した健康食品事業への取り組みなどは、まさに脱コモディティ化。ヘアサロンでもヘアのデザインやキレイだけを事業領域にするのではなく、今のうちにヘアとフェイスを事業領域と捉えて新たなヘアサロンのあるべき姿を創造する積極的な展開が必要な時代になってきています。


「 縮小市場に対するマーケティング 」
釣具店のグローブライドが顧客=釣りを楽しむ人の拡大に取り組んでいます。女性や家族連れの人たちが気軽に入れるようなお店づくりや小学生、若い女性を呼び込むイベント開催に力を入れ、中高年男性などの趣味というイメージが強い釣りの楽しみを広く知ってもらい、国内市場の縮小に歯止めをかけるのが狙いのようです。グローブライドでは、まるでアウトドアショップのように見える店舗に、店内にはアパレルコーナーを設置し、女性や家族連れのお客さまを飽きさせないように釣り入門書なども用意し、釣りを楽しみながら、じっくり始めたい人たちにアプローチしています。釣り具業界のような縮小市場の10年・20年先を考えると、釣りを楽しむ女性ファンを増やせるかどうかが大きな鍵になっていますので、グローブライドでは様々な取り組みを行っています。実際に釣りの楽しみを体験してもらうためのイベントの開催や女性に限定した離島への釣りツアーなどの企画にも力を入れ、活動的な女性は釣りにも没頭する傾向があり、きっかけを用意することでさらに広がっていくという結果を得ているようです。ヘアサロン業界においてもこのグローブライドの事例から応用できる数多くのサービスがあると思います。ヘアやメイクなどに関連する書籍の紹介やスタイリングに必要なアイテムなどを取り揃えてみること。そして、お客さまのライフシーンに合わせた応用などをお伝えしたり、メイクアップという視点からヘアスタイルを関連付けたり、自店でのお客さまイベントの開催などを行うことによって、お客さまの美容への関心をさらに高めると同時に、美容師さんに対するリスペクトを向上させることができると思います。


「 価値は顧客に伝えてこそ価値 」
次のような事例があります。ある企業の社長と野菜農家のAさんの話しです。Aさんの採れたて野菜の価値に気付いた企業の社長が、そこをしっかりアピールしたらどうか!と提案をしました。するとAさんは、前に一度、食品店のオーナーに話したことがあると言いました。では、もう一度伝え直してみてはどうかと勧めてみましたが、Aさんにはよく解らないようでした。・・・ここに問題があります。1つは、Aさんも食料品店のオーナーも野菜の安さがお客さまにとっての最高の価値だと思っていることです。ゆえにAさんは、他の農家の野菜に勝ち目はないと考えてしまった。しかし、人がモノを購入する理由は価格だけではないと思います。もう1つは、Aさんが自分で手掛けている仕事の中に、お客さまにとっての価値につながるものがあることに気づいていない点です。この場合は、「 採れたて 」という価値です。様々な企業の事業の中には、「 とても凄い 」「 確かに買うべき 」と思えるものが多くあります。しかし、提供する側の人たちがピンときていなかったり、意識さえしていない場合もあります。その結果、そのモノは訴求されないままに終わってしまいます。よくある例として、提供する側は、「 こんなものは当たり前のこと 」「 これを語るのはどうかと思う 」とよく言うものです。しかし、それはお客さまにとっての価値であることが多いと思います。お客さまは、同じ値段を払って消費するのに価値が増えた方が良いと考えているからです。野菜で言う「 採れたて 」を伝えただけで美味しいという体験も変わります。つまり、同じ商品なのに喜びと満足のレベルが上がるということです。全てのビジネスにおける永遠のテーマは「 顧客価値の創造 」ですが、今をもって十分に成れていないのが現実で、それには、提供側の意識にも問題があると言えます。気づいていないものは伝えられず、そして、伝えられてもいない価値にお客さまが気づくことも稀ですので、価値はキチンと顧客に伝えてこそ価値となるという原則を見直していくことが大事だということです。コミュニケーションとツールなどを活用し、どうしてこのヘアケアを導入したのか、その商品は何故効果があるのか、どのようなお客さまに使って欲しいのか、この技術を習得するまでの過程はどうだったのか、そして、実際のお客さまエピソードを伝えていくと同時に、美容業界の命題の1つである、明るいグレイカラー、個性を引き出すグレイカラーへの取り組みと説明をしっかり行っていくことも大事なことになると思います。このようにヘアサロンの現場において、価値を多く伝えるという取り組み、キチンと伝えるという取り組みを見直し、実践していくことで、さらに価値を高めることが出来ると思います。

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