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マネジメントエキスプレス2012.5月号

Management Express

ManagementExpressは、ヘアサロンさまのマネジメントにお役立て戴きたい経営情報として、
サロンオーナーさま及びマネージャーさまに毎月お届けしています。

「 ヘアサロン業界レポート 」
客単価の低下と来店客数の減少というデフレ不況下における消費低迷は、ヘアサロンに暗い影を落としています。このような環境の中で、QBハウスの1000円カットサロンを筆頭に、全国で低料金ヘアサロンが台頭し、東京ではカット料金690円のヘアサロンも登場しています。また、クーポンマガジンでの割引サービス、低価格競争が激しくなっています。低料金( 結果的に低料金になるシステム型サロンも含む )の大型サロンに引きずられて、低料金競争に巻き込まれているサロンが少なくないこと。クーポンマガジンではもう新規集客が大きく期待できないこと。来店しても一度きりの来客でリピーターにはならないことなどが多くのヘアサロン経営の問題になっています。実際のところ、売上の50%以上が人件費に回り、しかもアシスタント・スタイリストの育成=教育費にかなりの資金・資源を必要とするヘアサロン経営の収益構造では、低料金サロンの経営は難しいと考えられます。QBハウスのように社員はすべて他店の経験者の中途採用で教育投資が不要、さらにはシャンプー台を置かずに水回りに投資が不要、自動発券機を導入してフロント業務が不要、しかも安価な建築費、その上に資本力が豊かな会社がある・・・だから利益が出るというビジネスモデルになっているからこそであり、このように多くのことを捨てることによって、1つの卓越性を生み出していると言えます。

シャンプーもヘアカラーもパーマもいらない。髪が伸びて長くなったらカットをするという顧客が中心の1000円カットサロンと、トータルビューティで“なりたい女性像”を実現するサロンでは、もはや業態・顧客対象が全く違うと考えることが出来ます。しかも、人件比率が50%といってもヘアサロンの人件費自体は低すぎると言えます。就業予備軍の高校生やその保護者、高校の先生からは美容の仕事には魅力がなく、将来性も期待されていないという厳しい現状があります。その結果、新規の美容学校入学者が激減しています。2003年の入学者が2万7000人だったのに対して、2011年の入学者は1万8000人で、約3分の2まで減少しています。このようなことから、ヘアサロンの構造的な問題に目を向けざるをえない。ヘアサロンの売上が低すぎるから人件費率も高くなってしまうと言えます。1番の問題は、スタッフ1人当たりの生産性が他業種比べて極めて低いことだと考えられ、スタッフ1人当たり月60万円を超えていないヘアサロンが大半なのが現状です。ヘアサロン市場は、オーバーストアによる過当競争で、歯科医院と同じように少ない顧客を分け合って売上を減らしています。ここに低料金サロンが台頭して来たため、客数減をカバーするための客単価アップにも手を付けることができないサロンが多い現状があります。売上の基本は、「 客数と客単価 」ですが、現時点では、そのどちらも上げるのが難しいと言えます。それは、厳しい経済状況の中で、顧客の生活防衛からくる客単価の低下、来店サイクルの長期化で総客数が減少しているからです。マーケティングの鉄則でもある「 人口構造 」・・・人口減は必然的にヘアサロンの客数減に繋がります。しかも、それ以上に来店サイクルの長期化が顕著になっていることが、現在の大きな問題です。例えば、2ヵ月に1回の来店サイクルが3ヵ月に1回になると、年間6回来店が4回に減少します。年間の来店客数が3分の2に減って、売上は3分の2に減る計算が成り立ってしまいます。新規来店客数が減少している現在、この来店サイクルの長期化はかなり深刻な問題です。大型規模のヘアサロンの場合、全店の顧客が来店サイクルを1週間早めてくれれば、年間売上が数億円アップするという試算ができるため、今、多くのサロンがテーマに掲げているのがこの来店サイクルの短縮化です。一方の客単価については、低料金に目が向いている消費傾向の中で、美容料金を上げるのは非常に難しいと言えます。( サロンリニューアルは除く )この中で、ヘアカラー、パーマ客比率を上げて客単価をアップするのもなかなか簡単なことではありません。そこで、最近の例で言えば「 クイック・プチメニュー 」を積極的に提案して、来店サイクルの短縮化、客単価アップにつなげようとするサロンも増えてきました。 そして、昨今目立った動きとしては“面貸し”があります。ヘアサロンで売上60万円を超えないスタイリストはとても居心地の悪い状態に置かれます。つまり、いずれは辞めざるをえないのが現実です。また、定年制というものが存在しなくて、しかも30代半ばになるとやはり居心地が悪くなるヘアサロンがとても多く、特に都市部・中心エリアについてこれがもっと早い状態になっています。このようなスタイリストの受け皿となっているのが1000円カットサロン。

そして、もう少し売上を上げているベテランスタイリストの受け皿となっているのが、鏡の面貸しサロンです。これは、個人主義が徹底しているアメリカでは成り立っても、日本では難しいと言われてきました。しかし、ヘアサロンのどうしようもない雇用問題と、独立開業・繁栄永続が非常に難しくなっている現在の状況下で、この面貸しがかなり増えていると言われます。この背景には、美容学校の入学者が減って、美容業の入り口が狭まっているという危惧と、もう一方では男性スタイリストが30代後半で独立したのはいいものの、経営が立ちいかなくて数百万円の借金を抱えて廃業して、ローンを返済するために大型チェーンの居酒屋の店長に収まるケースが全国で増えていると言われるためです。これは、笑顔と接客が上手なことが重宝されているようですが、早晩50代を迎えるころにはどのような処遇にされるのかという前途が懸念されています。このようにヘアサロン業界は、入り口だけでなく出口も厳しい状況が生まれています。このような市場環境から、スタイリストの独立開業が難しくなってきたことが背景になって、FC・のれん分け・クループ経営・協働組合化・さらにはグループを組んでの勉強会・交流会がさらに一段と活発になってきました。・・・//マネジメントエキスプレス次号(6月号)は、このヘアサロン業界レポートの続編をお届けする予定です。

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